ＡＢＣ分析のお話

　ソフトウエア開発で「ＡＢＣ分析」という言葉はあまり使わないと思います。
ちなみに、ＡＢテストの発展形で、ＡＢＣテストということではありません。

🔲ＡＢＣ分析って何？
　ＡＢＣ分析とは、重点分析なので、様々なファクターから重視するポイント
を設定し優先度を捉えて管理する手法です。マーケティングでは売上管理や
顧客管理に利用されています。また、ＡＢＣ分析に関連しているのが
パレートの法則です。

　パレートの法則は「売上げの８割は、全体の２割の顧客で占めている」など
８：２の法則と呼ばれることもあります。ただし、パレートの法則は所得分布
などでも使われているように経験則のものであるため、割合が７割で捉えるなど
割合はケースバイケースで適用されるものとなっています。

設定(７：３の例)
　・Ａランク　主　力　累積構成比：７０％まで
　・Ｂランク　定　番　累積構成比：７１～９０％まで
　・Ｃランク　非定番　累積構成比：９１～１００％まで

ＡＢＣ分析の例
　分析結果をとのように料理するかは別として、分析自体は指標を
設定し重視度から優先順位を決めることであるので、その例を以下に
記載します。

ここでは、商品01～10までの売上から、Ａ、Ｂ、Ｃのランクを決定します。
(Ａランクは７割に設定、saleの単位は万円)

ＡＢＣ分析のサンプル(PHP)

<?php
$abc = array(
        array('cs'=>'商品05','sale'=>'230'),
        array('cs'=>'商品08','sale'=>'600'),
        array('cs'=>'商品06','sale'=>'130'),
        array('cs'=>'商品02','sale'=>'1500'),
        array('cs'=>'商品04','sale'=>'1000'),
        array('cs'=>'商品09','sale'=>'50'),
        array('cs'=>'商品03','sale'=>'1200'),
        array('cs'=>'商品01','sale'=>'280'),
        array('cs'=>'商品10','sale'=>'330'),
        array('cs'=>'商品07','sale'=>'150')
);
foreach($abc as $k=>$value){$sale[$k] = $value['sale'];}
array_multisort($sale ,SORT_DESC,$abc);

$T70 = array_sum(array_column($abc, 'sale')) * 0.7;
$T90 = array_sum(array_column($abc, 'sale')) * 0.9;

$TL = 0;
for ($i = 0; ; $i++) {
    if ($i > 9) {
        break;
    }
    $TL = $TL + $sale[$i];
    if ($TL >= $T70) {
        $A = $i;
        break;
    }
}
$AA = $sale[$A];

$TL = 0;
for ($i = 0; ; $i++) {
    if ($i > 9) {
        break;
    }
    $TL = $TL + $sale[$i];
    if ($TL >= $T90) {
        $B = $i;
        break;
    }
}
$BB = $sale[$B];
                             
foreach($abc as $k) {
  if ($k['sale'] <= $BB) $rnk = "C" ;
  if ($k['sale'] > $BB) $rnk = "B" ;
  if ($k['sale'] > $AA) $rnk = "A" ;
  echo $k['cs'] . '　売上：' . $k['sale'] . '万円' . '　ランク：' .$rnk.'<br>';
}
?>

サンプルデモ

🔲マーケティングとＡＢＣ分析を考えてみる
　ＡＢＣ分析でも、前年度と今年度を比較することでＡとＡ、ＡとＢなどの組み
合わせを作り、マーケティング戦略に反映させることもできます。また、顧客の
分類からＡＢＣ以外のセグメンテーションをプラスし、だれにどの商品をオススメ
すれば売上に貢献するかなどの判断材料にも使用できます。
　ＡＢＣ分析は店舗やＥＣサイト、在庫管理など様々な場面で利用でき、
ＷＥＢマーケティングではどの商品(カテゴリ)を上位(ＰＶ)にすれば売上がアップ
するかなど検討するために使うこともあります。

　顧客属性、利用データや購買データ、時間軸(前年度と今年度の組み合わせなど)
などの変数をどのように料理すれば、よりよいマーケティング戦略に活用できるか
はプランニング次第です。サービス企画・商品化・価格設定、販促・ＰＲなどの
マーケティングを考えつつ、必要な要素、検証方法のモデル設計、アルゴリズム
設計からソフトウエア開発まで落とし込む。時には、デザイン・ＵＩ・プログラム
の面の逆方向から修正・追加などを検討し、マーケティングに反映させシュミレー
ション検証しながら最適化をすすめ、完成度を高めていく。つまり”４Ｃを考えな
がら開発にも取り組める”こんな楽しいことはないと思います。

🔲最後に言いたいこと　 – エンジニアの規定枠を飛び出せ！！-
　投げて・打って・走ってと最高峰の舞台で前代未聞のことを成し遂げようとして
いる野球のメジャー選手、エンジェルスの大谷選手のような人を目指そうとして
いる人が、エンジニアの世界にもいると思います。

　サービス戦略立案・実行、商品企画・開発、販促・ＰＲ、顧客価値の向上、
顧客コミュニケーションなど、トータル的な自己実現を追い求める
データサイエンティストという人はどんな人なのでしょうか。

ハイパー・データサイエンティストは何処に？

以上